KTS's POV KTS's Point of View

セールスも、エンジニアも。
お客様と直接話すことで、
信頼関係は深まる。
不動産コンサルティング会社様
VDIオンプレミス環境移行プロジェクト
MEMBER
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H.T
- PROFILE
- 2005年KELへ新卒入社。インフラエンジニアとして業務を経験後、より幅広い業務へのチャレンジを望みプリセールス職へ。
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K.K
- PROFILE
- 2001年中途入社。システムエンジニアを経験後、現在は営業支援やエンジニアメンバーのマネジメントを主に行っている。
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K.F
- PROFILE
- 2021年新卒入社。就活エージェントからの紹介をきっかけにKTSと出会い、PMやPLもできるコミュニケーション力の高いエンジニアを目指している。
INTRODUCTION
以前よりお取引のあったお客様から寄せられた、クラウド環境からハイブリッドへ移行したいというご要望。PoCまで順調に進んでいたプロジェクトでしたが、途中で契約中のVDIサービス企業が買収されることとなってしまいました。先行きが読めない中でチームが決断したのは、ハイブリッドを断念し全てオンプレミス環境へ切り替えること。重要だったのは、お客様とも、チーム内でも、直接話すことでした。
PoC後、サービス提供企業が買収に。
臨機応変さが求められるプロジェクトだった。
K.K) 今日取り上げるプロジェクトは、不動産コンサルティング企業様のプロジェクト。簡単に言うと、既存環境をクラウドからオンプレミスへ移行するプロジェクトでした。とはいえ、まったく簡単なことではなかったのですが⋯⋯。
H.T) 簡単ではなかったですよね。今回はエンジニアの方にも積極的にお客様とコミュニケーションをとってもらったこと、プロジェクトが始動した後も状況が二転三転しチーム全体に臨機応変な対応が求められたことなどが、特徴的なプロジェクトだったと思います。
K.F) H.TさんはKELから、K.Kさんと私がKTSからのチームですね。
H.T) そうですね。お客様とは今回のプロジェクト以前よりお取引があり、私も引き続きプリセールスとして携わることになりました。前回のプロジェクトでは、お客様のリモートワーク体制に合わせ、VDIのクラウド基盤を構築。今回はWindows10が終了しWindows11へ移行するタイミングに合わせ、現在の環境が最適なのか、お客様と改めて議論する中で課題が見つかったことがプロジェクトの発端です。
K.F) クラウドでの費用が増大していることから、クラウドとオンプレミスのハイブリッド環境に切り替えたいというのが当初のご要望でしたよね。
K.K) その後VDIのメイン担当者として、K.Fさんを推薦しました。若手エンジニアではありますが、アシスタントやサポート的な立場でなく、メインでプロジェクトを引っ張る経験をそろそろしてほしいと考えたからです。私は上司として、彼女をバックアップする役割に回ることにしました。
H.T) 最初はハイブリッドでということだったのですが、PoCまで進んだ段階で状況が変わりました。使用していたVDIサービスの提供元が買収されてしまった。同じサービスを使い続けられるのか、わからなくなりました。そこでハイブリッドにする予定だったものを、急遽全てオンプレミス環境へ移行することに。プロジェクト途中で二転三転があり、その都度での対応が求められたと振り返ります。
K.F) 急遽オンプレミスへの変更があったこともこのプロジェクトの困難でしたが、私個人的には別の難しさも感じていました。今回使用したVDIサービスのクラウド環境について、全く経験がなかったからです。私はもちろん、現在の部署内に経験者はひとりもいませんでした。
K.K) 経験のないものを担当することに不安はありましたか?
K.F) 難しさはありましたが、不安ではなかったですね。誰もできないなら、誰がやっても同じ!調べながら頑張ろう!と(笑)。それにしっかり検証すれば大丈夫だろうと思っていました。

リモート会議が主流の今、
直接話せるエンジニアこそ、価値があるかもしれない。
K.K) 今回プロジェクトが上手くいったポイントはどこにあると考えていますか?
H.T) お客様との信頼関係構築ができていたことと、現場でコミュニケーションを逐一、細やかに行っていたことだと思います。KELやKTSが強みを持つところですよね。よく私たちは「伴走型」などと呼びますが、どんなことでもお客様と一緒に考えながら前に進む姿勢を大切にしました。
K.K) 実際、お客様自身でもわからないことってたくさんあるんですよね。プロジェクトが動き始めてからわかる課題は多い。そこを「そっちで考えてください」「できません」と言わず、丁寧に取り組むのが私たちらしさなのかなと思います。
K.F) 後者で上げていただいた、都度コミュニケーションを大切にすることは私も意識しました。たとえばお客様の現場へお伺いして、私がエンジニアとして作業を行うとき。黙々と作業をするのではなく、「これからこういった作業を行います」とアナウンスするだけでもお客様に安心していただけるんですよね。
K.K) K.Fさんは、スケジュールや進行についてもお客様と自らコミュニケーションをとっていましたね。
K.F) はい。初めて扱う技術だったこともありますが、臨機応変さが求められるプロジェクトだったため、状況をお客様と直接話すことは大切だと感じました。「今この段階です」「これを行って上手くいかなかった場合はこちらのフェーズまで戻ります」など、現状とその後の見通しについてできるだけわかりやすく伝えるようにしていました。
H.T) エンジニアの方がお客様と直接コミュニケーションをとってくれることは、プリセールスの私としてもありがたいし、お客様にとっても大きな安心になると思います。セールス系の職種はお客様に寄り添う立場でありつつ、コロナ禍以降はリモートでの打ち合わせが増えたこともあって、現場で顔を突き合わせて話し合う機会も少なくなりました。そういう意味では、直接のコミュニケーションは、もしかしたらエンジニア方の方が多いかもしれない。K.Fさんは、いつも的確な対応をしていただいたと思います。
K.K) お客様から「こういうエンジニアさんにならぜひ任せたい」と思ってもらえていたらいいですよね。

お客様と直接話せば、
背景まで理解したアウトプットを出せる。
K.F) 今回は、KBCを活用しましたね。それも大きなポイントとなったのではないでしょうか。
K.K) KEL Briefing Centerですね。お客様をお招きして、デモンストレーションを交えながらセッションを行う施設。
H.T) たしかにそうですね。PoC後の変更点が多かったことから、関わる人になるべく多く参加してもらっての意見交換と意思決定を行うべきだと考えました。お客様の決裁者はもちろん、K.Fさんにも出席いただきましたね。
K.F) KBCの存在は知っていたのですが、現場のエンジニアが参加する機会はないと思っていたので新鮮でした。お客様と方針を直接議論できる機会をいただけて嬉しかったです。
H.T) 実は私が個人的に、常々課題に思っていたことなんです。通常のプロジェクトでは、現場のエンジニアを含めてみんなで議論する場というのがなかなか設けられません。しかし技術的なことは、現場をよく知っているエンジニアとお客様が直接会話をできた方が、より詳細な議論ができるはずです。今回はみんなが納得のいくまで議論する時間をつくれたことで、それまで停滞していたことが一気に解消されたと感じます。
K.F) ありがとうございます。私にとってもいい経験でした。エンジニアは、普段、提案(構成を検討・提案するフェーズ)段階でお客様にお会いすることが少ないので、セールス職の方から依頼された構成を実現することに重きを置く仕事になりがちなところがあると思います。そこから一歩抜け出して、お客様は何に悩んでいるんだろうとか、お客様とセールスで議論になるポイントはどこなんだろうとか、セールス職の方のバランスの取り方、予算との兼ね合い、様々な観点を学ぶことができました。
K.K) お客様視点、セールス職視点を持ったエンジニアになれますね。
K.F) そうなんです。正直に言うと、これまでは目の前の作業に対して「お客様はなんでこんな要望をするんだろう?」「もっといいやり方がありそうなのに」と疑問や不安を感じることも多かったです。しかし今後は「もしかしたらお客様はこう考えたのかな」「この結論になったということはこういう背景があるんだろうな」と推察することができるのではないかと思います。

プロジェクト成功だけじゃない。
若手の成長にも、コミュニケーションはカギとなる。
H.T) K.Fさんは、若手社員として今回のプロジェクトで感じたご自身の成長はありますか?
K.F) 自分の仕事に、より責任感を持てるようになったと感じます。学生の頃やアシスタントのころは、与えられた課題を解決することだけを考えればよかった。しかし自分がメインで担当する立場となったときは、そもそも何がお客様の課題なのだろうと考えるところから自分でやらなければならないのだと。
H.T) お客様に伴走しながら、ともに試行錯誤するイメージですね。もちろんセールス系の職種がより強く意識すべきことではあるのだけれど、エンジニアの方がその視点を持ってくれるとすごくありがたいです。
K.F) お客様と対話しながら進もうとか、自分たちの視点にとどまらずお客様を見ようとか、そういったことにはセールスもエンジニアも境はないかもしれませんね。技術だけを追求するエンジニアもプロフェッショナルのひとつのあり方ですが、コミュニケーション不足によって案件の状況や知識を一人で抱え込んでしまい視野を狭めてしまうとお客様視点が抜けてしまったりすることにつながりやすくなる。お客様への意識を忘れないエンジニアになりたいと感じました。
K.K) お客様と伴走する、お客様に寄り添うエンジニアは、まさにKTSが求めているエンジニアだと思いますよ。
K.F) 私もそう思います。私が就職活動をしているとき、KTSの面接では「話せるエンジニアを求めている」と聞きました。つまり個人プレーで黙々と作業するのではなく、お客様やチームとコミュニケーションをとりながら課題解決を行えるエンジニアです。入社前に聞いて素敵だなと感じたエンジニア像に、近づけていられたらいいなと思います。
H.T) ちなみにK.Kさんは、F.Kさんのサポートを行うにあたって意識していたことなどはありますか?
K.K) あまり技術の細かいところについて、こちらから指示することはなかったですね。どちらかというと精神面のサポートを意識していました。臨機応変に対応することが求められていた分、気持ちの負担も大きくなりやすい。1on1を設定するなど、状況やモチベーションの把握に努めていました。
H.T) なるほど。お客様と、チームメンバーと、そして育成の観点からも、コミュニケーションや対話が大きなカギとなったプロジェクトなのだなと改めて感じました。
K.F) そうですね。もちろん自分で考えたり調べたりすることも大切なのですが、直接意見を聞くことで得られるものは大きいと感じます。エンジニアの技術力って、知識や経験だけじゃなく、コミュニケーションにも支えられている。そこを意識しながら、今後も成長していけるといいなと考えています。

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