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Project Story
#004

本当に必要なものは何か?
お客様を知り尽くした視点で、提案する。
政令指定都市 基幹用仮想基盤更改プロジェクト座談会

MEMBER

  • N.K

    N.K

    PROFILE
    プロジェクト統括
    2012 年中途⼊社。
    KTSの設計・プロジェクトマネージメントの担当部署課長。以前、お客様とは別のプロジェクトでプロジェクトマネージャーとして従事した際にお客様との信頼関係が構築できており、今回更改提案を⾏うにあたりプロジェクト全体の統括を担当。
  • M.T

    M.T

    PROFILE
    プロジェクトマネージャー
    1999 年⼊社。
    主にストレージの構築・設計を経て、本プロジェクトの提案主幹を担当。また、本プロジェクトで初めて⼤規模案件のプロジェクトマネージャーを担当。
  • K.K

    K.K

    PROFILE
    設計統括
    2013 年中途⼊社。
    主に仮想基盤の保守・構築経験に長けており、本プロジェクトにおいては仮想化サーバー・ソフトウェアの設計・構築を担当するとともに、それ以外のコンポーネントの設計や構築の統括管理にも従事。
  • Y.K

    Y.K

    PROFILE
    運用設計担当
    2014年中途入社。
    お客様の運用代行実施を主業務とする部署に所属し、主に運用設計・運用管理を担当。10年以上の運用実践経験を活かし、「お客様の現場担当者が使いやすい環境」を重視した運用設計を実践。

INTRODUCTION

某政令指定都市のお客様において、基幹用仮想基盤の更改にあたり新たな提案を⾏ったプロジェクト。新たな提案を⾏う際には製品知識や設計技術はなおのこと、お客様の利用/運用シーンを考える⼒が重要になる。考え、寄り添う技術について、プロジェクトの担当者4⼈に聞いた。

⼀歩深くヒアリング。
本当に必要なことを⾒つけよう。

N.K) 某政令指定都市は、ケー・イー・エルテクニカルサービス(以下、KTS)として別案件でお取引があったお客様。機器更改のタイミングに合わせて、提案のお声がけをいただいたのが、プロジェクトスタートのきっかけです。

M.T) 提案当初のヒアリングでは既存基盤に⼤きな問題や実現したいご要望がないように思われ、正直なところ良い提案ができないのでは無いかと心配になりました。

Y.K) 特に問題が⾒られない場合は、「今のままでいい」となってしまいますもんね。

M.T) しかし事例を挙げ、より深くヒアリングを進めていくと、いくつかの課題が見えてきました。

N.K) お客様が気づいていない既存問題を提示してヒアリングと要件定義を⾏い、お客様が本当にやりたいことや困っていることを聞けたのがよかったですね。

M.T) 一つ例を上げると、既存のバックアップで時間がかかっていることが大きな課題でした。そこで新基盤では、よりバックアップ時間の短縮が見込めるVeeam+NetApp によるスナップショット連携方式のバックアップへの変更を提案しています。

K.K) 変更に伴うメリットもデメリットもご理解いただく必要があります。今回の提案では当初の内容より費用が上がってしまうため費用対効果を示し、お客様側の予算をどうやって調整いただくかという配慮も⾏いながら進める必要がありました。

N.K) そうですね。運用設計はどうでした?

Y.K) 運用提案では、システムからのデータの取得や加工・報告書への転記などをひとつひとつ手動で作業を行っていることが既存資料から読み取れたため、可能な限り自動化してお客様の負担が軽くなるように工夫をしました。

M.T) K.KさんやY.Kさんのお話にも出ましたが、システムの必要機能を満たしながら、よりお客様の負担が軽くなるように考慮する、というところが非常に重要な視点だったと思います。システムのパフォーマンスや安定稼働も、運用の手順の簡略化も、結果的にお客様の負担低減につながります。

N.K) 徹底してお客様視点で考えられたことがよかったですね。課題解決や中⻑期的な運⽤へ向けて必要なことを提案できたと思います。

「無理です」より「どうやれば」が先に出るチームへ。

N.K) 今回のプロジェクトにおいて、KTSの強みが発揮できたのはどんな点だと思いますか?

K.K) まず、通常であれば5ヶ月程度必要な案件でしたが、実際に受注後から利⽤開始までの期間が2ヶ⽉半くらいしかなかったんですよね。しかし、要件定義策定支援から提案/メーカ調整・技術確認/設計/構築/テスト/運用設計をKTSで⼀気通貫の対応が出来たため、圧倒的なスピードで納入することができたと思います。ここがKTSの強みだと思います。

Y.K) そうでしたね。2ヶ⽉半では通常なら無理だろうと思う規模の案件です。

M.T) すべての⼯程を⼀貫してKTSが担当したことと、普段から各メーカさんとも密に連携しており設計に必要な情報連携を行うことでスピード感を持って動けたこと。この2つの要素が揃っていたからこそ、短期での納品を成し遂げられたのかもしれません。

Y.K) KTSの社⾵も強みのひとつだといえるのではないでしょうか。

N.K) というと?

Y.K) プロジェクトで大きな課題や問題が出てきた際、部署や上下関係にとらわれず、一致団結してそれに取り組めるところ。あと、困難な問題でも一言目に「無理です」とは⾔わないところでしょうか。

M.T) たしかに、否定から入らない技術者が多いと感じます。社員同士仲間意識も強いですしね。

Y.K) そうなんです。「できない」と⾔って終わらせるのではなく、「どうやったらできるか」をまずは考えてみる。そして、社員同士を仲間同士として、実現に向けて切磋琢磨しながら解決に向かっていく。そういった姿勢があるからこそ、短い開発期間でも⼗分なクオリティのものをつくることができるのかなと思いました。

M.T) たしかにそのとおりですね。お客様にとってより良いことを設計で実現することこそ、私たちの強みで、またお客様から頂く「ありがとう」の言葉が前向きな姿勢の原動力になっている気がします。

K.K) お客様にとって何をするのがいいか考えることとつながるのですが、私たちがマルチベンダーであることもひとつの強みだと思います。製品にとらわれず、幅広い視野で⾒て、ベストな提案ができる。お客様にとってもいいし、私たちとしてもやっていて⾯⽩みを感じる部分だと思いました。

「使いやすい」はお客様ごと、全く異なるもの。

N.K) みなさんが今回、難しいと感じた点や⼯夫した点はありますか?

M.T) お客様が政令指定都市ゆえに、⼯夫が必要なポイントがいくつかあったと思います。
まず第⼀に、⾏政システムなので⽌まったり不具合が出たりが許されないことが挙げられます。セキュリティと安定性の⾼さを最優先に意識するプロジェクトでした。
とは言え、2ヶ⽉半の短い開発期間と両⽴させることにも難しさはありましたが......。

N.K) 官公庁なので、組織の仕組みが他の企業と少し異なる点も考慮すべきポイントでしたね。具体的には、代表となるひとりの担当者とやりとりすればいいわけでなく、内容ごとに相談・提案する先が異なっている。あるいは、それぞれの担当者で持っている情報が異なっていることも。

K.K) コミュニケーションの取り⽅や情報の整理も気を配ったところですね。⾏政の⽅はもちろんITの専⾨家ではないので、各担当者はITに明るい⽅ばかりではありません。
そういった⽅もプロジェクトチームの⼀員として関わっていただくなかで、わかりやすい資料作成や伝わりやすい⾔葉選びなども重要でしたね。

M.T) お客様の立場で伝える意識。これは⼩さいことの積み重ねですが、⼤事なところだったと思います。

Y.K) それぞれのお客様ならではの組織形態や組織⾵⼟を理解することは、運用設計でも非常に重要なファクターの一つです。お客様がどのようにシステムを維持管理しているのか、お客様が重要視しているポイントを踏まえて運用を考えないと、実際にシステムが稼働し始めた後で様々な問題が出てくることになります。限られた時間の中でそれらの確認に可能な限り時間を割いたことで、お客様の手間を減らす運用を理解し、それを実現できたと思います。

お客様以上に、お客様を理解する技術者であれ。

N.K) 今回のプロジェクトを通じて学んだことや、今後活かしていけそうなことは、どんなことでしょうか。

M.T) 個⼈的には提案段階からプロジェクトに携わったことがあまりなかったので、その経験ができたことがよかったです。

N.K) 提案段階から携わることにより、どのような学びがありましたか?

M.T) これまでは受注したあとからプロジェクトへアサインされることが多かったので、すでにゴールが決まっている状態が私にとってのスタートでした。ゴールは決まっているため、⾃分の仕事としては効率や品質、スケジュールなどどちらかというと管理が重要だったと思います。

N.K) そうですね。それに、確実にゴールへ到達するため管理するPMという役割も重要でした。

M.T) ですが今回は、KTSより提案することから始まったため、ゴールを⾃分で決めることからやらなければならなかったんです。そうすると、ゼロからお客様のために何をするべきか考える⾯⽩さがあるし、逆に⾔えば責任も⼤きな仕事だったと思います。

Y.K) ゼロからやる⾯⽩さや発見があるんですね。

M.T) これまでは無意識に、既存製品や既存技術でできることに縛られている⾃分に気づきました。⼀旦制限をなくして、ゼロベースで考えてみることも⼤事ですよね。

N.K) 重要なことだと思います。

K.K) 私は地⽅⾃治体のプロジェクト事例ができたことが、KTSにとって⼤きな功績となるだろうと感じました。さきほど少し挙がりましたが、⾏政のお客様は、ニーズや組織⾵⼟、重要なポイント、予算などがやはり他の⺠間企業とことなる点があります。1度経験し、今回のナレッジを社内で共有することで、今後は他の地⽅⾃治体様とのプロジェクトにも活かしていけると考えています。

N.K) そうですね。実績があれば、他のお客様からの信頼も得やすくなる。KTSを代表する事例となりそうです。地⽅⾃治体のお客様という視点だと、今後KTSがずっとお付き合いを続けていくことも重要だなと考えています。

Y.K) どういうことですか?

N.K) 地⽅⾃治体だと、組織体制として、どうしても異動が多くなります。KTSと⼀緒に仕事をするステークホルダが、ずっと同じ担当者さんとは限らない。そうすると、お客様の⽅にシステムやITに関するノウハウが蓄積しにくくなってしまいますよね。

Y.K) ⻑いお付き合いを続けることで、KTSが、お客様以上にお客様のIT事情をわかっている⽴場になっていけたら。そういうことですね。

N.K) まさにそうです。KTSがお客様内部を知り尽くした、ITの専⾨家になる。そういうプロフェッショナリズムの発揮もできるようになったらいいのかもしれません。